ヨドコウ桜スタジアム
(長居球技場)

みんなで育む「成長するスタジアム」

今回、新たにセレッソ大阪のホームスタジアムとして生まれ変わる長居球技場。これまでにもクラブの成長に合わせて段階的な改修が行われてきた既存建築物を、全て壊して建て替えるのではなく、残せる部分は残しながら最大限活用する計画とした。竣工後は公園施設として大阪市へ寄附されている。 主な設計概要としては、旧メインスタンド(東スタンド)をバックスタンドとして残し、旧バックスタンド(西スタンド)を建て替えて新メインスタンドとして新築した。また、ホームスタンド(北スタンド)とアウェイスタンド(南スタンド)は既存スタンドの後ろに新たに観客席を増築し、ホームスタンドの上部には屋根を新築した。収容人数としては約6000席増加、総席数を約2万5000席とし、スタジアム全体の屋根カバー率を36%から約70%まで拡大している。 新築するメインスタンドは欧州水準の観戦環境を目指し、20~35度の勾配を持つ2層構造の観客席にて計画した。上段席を下段席上部に持ち出すことで、上段席からでもピッチまでの距離を近く感じることができる。また、旧スタジアムからの更なる臨場感と一体感を追求し、観客席の最前列とピッチとの距離を5.8mにて計画した。 ホームスタンドは屋根と一体になるように壁で囲い、近隣への騒音に対して配慮すると共に、ファンの声援が響き合ってピッチ上の選手に届きやすい計画とした。 内装デザイン及びサイン計画では、ファン・サポーターの「セレッソ大阪のホームスタジアム感を感じられる、期待感の高まるスタジアムを」という想いを受け、チームカラーやマスコット、桜(=CEREZO)を随所に取り入れる工夫をした。 行政、クラブ、ファン・サポーターが参画してみんなで創り上げた「ヨドコウ桜スタジアム」。今後もクラブの成長と共に、地域に愛されるまちのシンボルとしてみんなに育まれていくよう、想いを込めた。

ヨドコウ桜スタジアム
(長居球技場)

  • 地域:大阪市東住吉区
  • 延床面積:16,803.85m2
  • 竣工:2021年4月
  • 建物用途:観覧場
  • 構造:RC及び S造
  • 規模:地上5階