京都の風情と先進性を共存させるシンボルレジデンス
歴史と現代が交わる京都山科。計画地は山科駅の徒歩圏に位置し、三条通からの屋敷塀に導かれる趣ある袋路状道路にあり、街の喧騒から一線を画した落ち着いた住環境となっている。ここに、京都らしい風情を纏わせた、伝統と先進性を共存させるシンボルレジデンスを目指し計画。 印象深い佇まいのファサードとなるエントランス棟は、三条通りに向けて配置。基壇部の重厚感のある石積みと、上層部には伝統的に用いられている縦格子をモダンデザインへと進化させ、洗練されたファサードデザインを形成した。 夜間には、これらのテクスチャーと共に、秋に美しく色づくシンボルツリーの紅葉等の木々を暖色のやわらかな燈で灯し、幻想的な空間を創出している。 エントランスホールは、ファサードで使用した石積みと繊細な縦格子を連続させ、アイストップには華やかな菱形タイルを取り入れて、優美で格調高い空間に。 住戸に向かうまでの中庭には、趣のある木々を配して、安らぎを感じられる迎賓の空間とし、外壁の基調色は風格ある建築とするために、京都らしいいぶし銀を纏う佇まいとした。 マテリアルからディテールまで追求したこの建築が、地域のシンボルレジデンスとして住まう方のみならず、訪れる人・道ゆく人の愛着も深め、周辺地域と共に永くゆっくりと時を紡いでゆくことを願っている。